言葉という熟語の「葉」の意味について「昔からそうだった」と済ませないで、追及をして行かれたのが小田野早秧という人の持って生まれた性分でした。
以下は私が何回かに分けて小田野先生からお聞きしたものと、先生の書かれた文章の内容を簡略にまとめたものです。
私は子供の頃から疑問符が服着て歩いているような人間でね、因果な性分で、何だ、何だと、疑問を持ったらとことん追求しなければ気が済まないのよ。それで、「言」だけだって事足りるものを、何で葉っぱをくっつけたのかと不思議に思ったわけ。周りの大人に訊いたって、「昔からそうなっとる。それが何だ」と言われるのが落ちだから、自分で考えるしかないじゃない。ずいぶんいろいろと、ああかな、こうかな、って考えた挙句に気がついたのは、葉っぱが出来るのには枝が要る、枝は幹についている。幹は根が無ければ育たない。
その時に閃いたのよ。「榊」ってね、逆さの木と同じ音じゃない。神様の木が何で逆さの木なのだろう。それからは面白くて、夢中で逆さの木を描いたのよ。その絵があったからこそ日本語が世界中の言語の中で一番古くて、しかも親みたいな者だという結論が出せたわけ。
まず、根っこの根は発音が「ネ」で、「音」に通じる。その音がただの音じゃなくて、宇宙創造の原因のエネルギーを持った音だとして、その性質をまとめると、C∞乗という絶対至高の速度を持って絶対電磁場を成立させている、絶対中温の36°のたった76しかない音だと私は結論した。その根から幹が出てきた。「ミキ」は「カン」とも読むので、完全の完だと教え示して下さっていると受け止めた。何しろ神の木だと教え示されているのだから。
この完全なる76音を使った幹に条件が合う言(コトバ)は日本語しかない。他の言語は皆76の母音と「ン」だけでない音も使っているから。
そこで、日本語が大元の原因の言語としたら、他の言語がどうして出来ていったのかを考えた。言語を使わせている元の精神というものは「セイシン」と読むので、まず閃いたのが「西進」という二文字。西といえば日本からなら中国、インドよね。大昔に日本から東に行こうと思ったはずはないでしょ。海以外には何も見えない太平洋だもの。西なら九州からはるか遠くにぼんやりと陸地が見えるから、あそこには何があるだろうと思って、最初に好奇心と冒険心のある輩が渡っていったかもしれない。実際に行ったのよ。いつかは分からないけれど。そうして少しずつ人が行く先先に子孫を残しながら何十万年も何百万年もかけて進んで行った結果、各地に地域言語が出来ていった。最後に一周したら今度は東から日本に精神が戻ってきた。答えとしてね。「答えはこうですよと申す、東申」というのはそういう意味。
ざっとまとめましたが、オリジナルの逆さの木の図はもっと複雑で、説明ももっと微に入り細にわたっています。ここでは光透波理論による「言葉」という熟語の底に秘められている宇宙的意味の一部をご紹介しました。
2017,9,17
すばらしいですね。シュタイナー保育園で働いています。子供たちを理解する為にアントロポゾフィをちょっとづつ学んでいます。人間の器官の成長段階は逆さにした植物に呼応している、という学びがあり、しっくり来た経験があります。静流さんのこの話しにもしっくりきます。