以前光透波理論を学ぶ仲間の女性に、「あんたに今必要な本」と言われてプレゼントされたのが養老孟司[1]さんの書かれた「バカの壁」という本です。読んでいて抱腹絶倒であったと共に膝を打って、「そうだ、そうだ、本当にそうだ。私はバカだ」と目からウロコが落ちました。
あれから十数年、バカ度はどのくらい下がったのかと自己客観視。どのあたりがバカでどのあたりが進歩したかを調べました。分かったことの一つは、「どんな理論を学んでも、現象を起こせなければ説得力はないね」と教えてくださった飯島秀行[2]さんの言葉の意味です。要するに具体的に何かの役に立つ行為に繋がらなけばそれを学んでいる人の貢献度はあまりないと言われたのだと解しました。飯島さんはフリーエネルギーを開発され、成功されました。現象を起こし、貢献したのです。
二十世紀という時に地球という星に生まれ出てきて、100年足らずの間に私という、詞の大海原の一滴に何か意味あることが出来るのか。光透波理論の真髄をどう応用して行けば「生きがいの発見」という素晴らしいプレゼントを頂けるのか。そしてそれを実践して「世界の平和と地球の蘇生」を実現させる原動力である「人類の覚醒」につながる行動の一端を担えるのか。
私は人間が好きです。バカでも怠惰でも自分勝手でも好きです。人間を相手の仕事をしたいです。それは分かっていました。人間の心理や本性について学んでも来ました。そして様々な手法も学んできました。でも、本当に効果のある、自分に向いた手法はまだ見つけられないでいました。今は「これかも」という手法に出会ったと思っています。
教えて下さった方とのお約束で具体的な手法をお教えはできませんし、光透波理論をご存じない方なので、自分の解釈による理論を織り込んでのお話となるため、お名前を出すことは控えるべきと思います。いつかその方にも光透波理論のことをご紹介してご承諾を得られたらもっと詳しいことをお話しできるかもしれません。
養老孟司さんによれば、世界とは複雑なもので、「わかる」ことはできない。「客観的事実」や「本質的真実」は信仰の領域である。この世に絶対的な「正しさ」や「正義」なるものは存在しない。「これが正しい」「これがあたりまえだ」と思い込むことは思考停止である。社会や自分の属する集団の意見を盲目的に正しいと思い込み、それを鵜呑みにするのはバカのすることだ。常識を知っているということは「人間なら普通はこうだ」という判断ができるということだ。推測を真理と取り違えたり、科学や宗教を妄信したり、わかっているつもりになること、それが健全な思考の広がりを妨げる「バカの壁」だ。
バカの壁とは「自我の壁」とも言えると思います。この自我の壁を乗越えて、人類(実は地球人だけではないと私は解しています)発生以来のあらゆる感情的・知的体験がもたらす知恵と発見が細大漏らさず記録されている謂わば「図書館」のようなものがあるとしている人たちがいます。私もその一人です。これは「アカシックレコード」とも「人類の集合意識」とも呼ばれています。情報の源で、ここから私たちは自分に興味のある情報を必要に応じて取り込んで、それが「自分の思考・発見」というように思っています。
さて、今私が学び、実践している治療法とはこの源から得た情報を活用して、精神的・肉体的に病んでいる(多くの場合両方病んでいます)人やケガなどによって苦しんでいる人が最も効率的に速やかに常態に戻れるような自己治癒力の発動をうながすという手法です。術者は自我の介入を避ける非常に効果的な準備をしてから、被術者から直接情報を得る源とのいうなれば「通信回線」を開きます。被術者の自我の壁のかなたにある情報源ですので、ご本人は自分の病の原因は知りません。そして、「知った時が回復のプロセスの始まり」となります。
太母さんが言うところの、「医王さま」が誰の中にもいらして、それが働く邪魔をしなければ「病気は勝手に治って行く」と聞いてはいたのですが、発動を促す条件があまりにも実現不可能なことが多く、実際にはできなかったのです。
誰もが大宇宙の分身同士で敵も味方もない、従って戦いも競争も不要、生きとし生けるものもまた分身同士で互いに助け合ってこの世界は成り立っている。それぞれを敬い、感謝して生きるのが幸せな世界を作る条件。要不要を無視して濫造する物品とそうせざるを得ない経済機構がもたらすあらゆる汚染を止め、必要最低限の物だけ持ち、「身無一物福寿無尽蔵[3]」を悟り、真の幸せを確立すれば病も死も一如であると分かり、恐怖も心配ともおさらば。
私は70歳を過ぎてもまだこの心境に達していなかったのです。でも自我の壁の向こうで発見した、人間本来の英知との通信回線を通し、少し「バカ度」が下がって来ているように思っている今日この頃です。
[1] ようろう たけし
日本の医学博士、解剖学者。東京大学名誉教授
[2] いいじま ひでゆき
フリーエネルギー研究家。一般財団法人テネモス国際環境研究会理事長
[3] 何もかも捨て去り、拘りも恨みもつらみもすべて手放せばその時にあらゆる福寿が降り注ぐ。
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