先日電車に乗っていて気がついたのですが(車中でスマホをしないので、閑です)、高校生らしい男子が5人乗りこんできました。中で一人を除いて全員口で呼吸をしていました。治療師の端くれとして、長年の間に眼で診断する訓練も受けたので、観察はていねいに行うことにしています。3人はかなり重度の蓄膿症のようですぐにそれと分かるほどの顔面腫脹による盛り上がりが鼻の両脇にありました。もう一人はマスクをしていましたが、鼻を覆わず口だけ覆ってありました。やはり鼻で呼吸はしていません。一人だけ鼻で呼吸していましたので、5人に一人鼻炎ではないという確率です。10代の青年が元気はつらつどころか病気なのです。この人たちは将来どうなってしまうのでしょうか。
副鼻腔炎というとショックが少ないように思えますが、蓄膿症という言葉には不気味な響きがあります。その通り、怖い病気です。耳に膿が入ると中耳炎、慢性化すると難聴が加速されます。眼も悪くなりますし、頭もぼーっとして働きが鈍くなり、注意力が散漫になることから様々な事故が起きやすくなります。膿が喉から体の中にも入って行きますので、様々な疾患の原因にもなります。それより何より苦しいし鬱陶しいです。動物としての人間は自己防御のメカニズムからそれに対応するために感覚を鈍くして苦しさがあまり精神を疲弊させないように防御しますが、解決にはなりません。多くの場合どんどん重篤化して行く傾向にあるからです。動物としての「感」は生き延びる為に備えられた重要な機能です。これが鈍ってくるのですから大問題です。嗅覚が鈍ると腐敗しているなどの体に良くない食べ物を食べてしまいます。聴覚も触覚も危険が近づくと警戒信号を出して、「何かおかしい」と気づかせてくれますが、この機能も衰えます。雨の日に川の中洲でキャンプをして死んでしまった人たちもいました。十分な支度をしないで登山をする人たちも多いです。プラットホームの端近くでスマホをしていて誰かにぶつかって線路に落ちた人もいます。危険は直感的に感じ取るもので、~~だから~~しないという判断力や知識はそれほど無くともほぼ無意識に避けるのが動物的直感です。動物は判断や予備知識を使わずに生き延びています。
さて、またまた私ごとになりますが、蓄膿が原因の難聴になってしまいました。長年の花粉症によるアレルギー性鼻炎が中耳炎を引き起こし、難聴度は片耳が軽度、片耳が中度の難聴という検査結果でした。それが直接間接に関係した症状もいろいろあります。粘膜も含めての皮膚のかゆみ、発疹、頭痛、頭痛が原因の閃輝暗転という視野の一部が暗くなって見えなくなる症状が出る。耳下腺の痛み、明け方に出る咳が何十分も止まらない為に疲労と睡眠不足になる。まだまだありますが、これだけでも相当鬱陶しいですし、楽しく明るく生きるのには努力が必要になります。幸せなら努力など要らないので疲れはしません。疲労があると余病併発、急激な老化現象が起きます。負の連鎖です。
知人に鼻の治療の上手い(当然体全体のケアも含まれます)鍼灸師がいることをすっかり忘れていたのを他の友人に教えてもらったのが今年の始めでした。本当にすっかり忘れていたのです。これが年をとるとよく起きる現象です。ともかく、正月三週目に治療を始めて数回で鼻のつまりが無くなりました。頭痛は軽くなり、閃輝暗転は一度起きただけで、もう1か月起きていません。明け方の咳も止まりました。粘膜のかゆみも半減して、花粉の季節にもかかわらず、くしゃみもあまり出なくなりました。難聴に関しては先週の聴力検査で両耳とも正常範囲で、大体40歳代の人の平均値になっているとのことでした。加齢性難聴だとこうは行かないことが多いそうで、中耳炎が主原因だったからだろうと言われました。耳のケアに関しては自分が行っている温熱治療の器具を使って毎日内臓や耳下腺などを温めていました。耳が聞こえなくなって来たという状況にはかなりの恐れがあったため、本腰を入れて何とかしようと決意できたのだと思います。
結果的に5週間で負の連鎖が止まったのです。もう一つ付け加えなければならないことは、ほぼ毎日飲んでいたお酒も週に1回にしたことです。今は2回のこともあります(ちょっとあぶないかな)。でも自分でケアをすることはこれからも続けて行くつもりです。
心の断捨離では体に向き合っていなかったので、それだけでは十分ではないということをここで皆様にお伝えしたかったのです。今はインターネットのおかげで体の不調があると原因や治療法などいろいろ調べることができるのですが、あまりにも多くの情報が飛び交っていて、何かを調べているとそれに関連した物品の売り込みの広告がどっと入って来ます。一日おきくらいに閲覧履歴を削除してもどんどん入ってくる情報であふれかえります。まるで真反対の情報もあります。これとあれをしたら、結果は相克するかもしれないものあります。過剰になるのは足りないよりも危険です。素人が言っているのかプロが言っているのか、プロが言っていても半分宣伝なのか。混乱しないためには慎重に比較検討するという作業が必要になります。基本的には「何も要らない、何も買わない」という姿勢でのぞみ、必要最低限度の処置を何回も考え、比較検討した後に試験的にやってみるということをしています。効き目がありそうなものを足すのではなく、悪いものを取り去るというのが原因治療、未病ケアであると教えて下さった治療家たちに賛同しています。
二年ほど前に家の中の電磁波対策と言うのをいろいろやったのですが、十分ではなかったのでしょう、アレルギー反応はあまり軽減しませんでした。サプリなどを足して行くのではなく、不具合の根本原因の一つと考えられる帯電をしないための対策も必要と思ったのです。しかし素人考えの処置では十分ではなかったかもしれないことが二年間の実験で分かってきたので、現在プロに調査と対策の提案を依頼しています。これでさらにアレルギー反応が軽減すれば蓄膿の原因である鼻炎とはお別れすることができるかもしれません。医師や治療家に丸投げしないで、本人参加型の根本的な未病対策が大切だと思います。そしてもし可能なら家族の為の未病対策も大切だと思います。家族の病気は辛いものです。
ともかくアレルギーの症状が軽減したので、点眼薬やかゆみ止めは止められました。食べ物は外食を避け、出来合いのものを買わず自分で作っています。アルコール飲料と乳製品もアレルゲンなのですが、ワインを飲むとチーズが欲しくなります。ワインを飲むのを止めたら別にチーズは要らないので一石二鳥でした。一日平均4、5千歩あるき、軽い運動(主に掃除と庭の手入れ)を毎日するという簡単なことはしていますが、後は気楽にしています。気持ちの持ちようも健康維持の大切な要因です。心の断捨離も続けて行くつもりです。
高校生の男子を電車の中で見て、日本の将来を憂慮したのがきっかけで、この文を書きました。
2019.2.25