5月16日某病院の先生から母の大腸の腫瘍の検査結果を伺いました。正式名はS状結腸癌というそうです。癌の大きさは1cm位の初期癌でした。どのような手術をするのか消化器外科の先生からお話をお聞きしました。もう少し小さければ内視鏡で取ることができたそうですが、母の場合腹腔鏡手術で大腸をある程度切除し、その周辺のリンパ節も取る必要があるとのことでした。セカンドオピニオンで、他の病院の先生にも見て頂くことになり、6月18日に検査入院し検査の結果、27日に手術が行われました。
27日から約10日間点滴で栄養を入れ11日目に試験で重湯を食べたのですが、熱が出たりしたためその後4日間は点滴でやっと7月12日に本格的な食事が始まりました。何度かお見舞いに行きほとんど毎日電話していたのですが、11日に電話した時に
「今日はどう?」と電話で聞くと
「地獄に来たことがない人にはわからんやろね。」
というなんともユニークな回答でした。2週間程食事をしていませんし、6人部屋だったので同室にかなり重篤な方もおられ、一晩中看護師さんたちが出入りしたり、また他には薬の副作用か何かによる妄想で一晩中話されていたりで眠ることができない状態も何日か有りました。それでお見舞いに行くたびに「ここは地獄よ」と言っていました。母は87歳ですが心臓や肺はすこぶる良い状態だったので、高齢にも関わらず手術ができたのでした。
どんな苦労もその痛みや苦しみは本人にしかわかりませんが、僕は大病をしたこともなく何かひどく不自由な目にもあったことはありませんので、自分にとっての「地獄」とは何だろうと文字に問うて見ました。
地→十一也
獄→犭+言+犬
言(コトバ)が犭(ケモノ)化しているとはどういうことでしょうか?
言語の人為的な使い方は対立的感情や打算的勘定を生みますから、当然争いを誘発します。命の本質を対立的な次元で使っているからです。人と人のコミュニケーションはコトバで行いますから、その表現によって感情にいろんな作用を及ぼします。私達の感情を作っているのは正しく「コトバ」なのです。つまり人の意識はコトバで作られているのです。
ある時は人の言葉によって励まされ、ある時は友人の放った一言でものすごく落ち込むこともあります。コトバによって喜び、コトバによって苦しみ、悩んでいるのです。
小田野早秧先生によって言語の本質は光が透明になったエネルギー、光透波ということを学びました。しかも生命の本質、真空の本質、知性の本質が同値一体であるという結論でした。命のエネルギーの音、命波音は日本語の発声音76音(清音51音、濁音20音、乾音5音)です。その音の意實は「天鏡図」に示されています。
日本語である命波音には音本来の一音一音の意味があったのです。私達日本人は日本語が命のエネルギーの音だなんて全く知りませんでした。ましてやその音に音本来の意味があったなんてことは知る術もありません。ですから命本来の音の意味を従来どおり、私達日本人が作った意味、人為的な意味で使ってきました。それが今までの日本言語だったのです。
言葉の意味を人為的、動物次元で使っていたのです。ですから地獄の「獄」の文字の中に言(コトバ)が獣化していると示されているのだと思います。言葉を問い(十一)その本質を見極めることが「文字」を通じて可能になりました。文字が命(真空、知性)の結晶化現象であり、その幾何構造を紐解くことによって、命(真空、知性)の本質を理解することができます。
私の母にとっての地獄は病院での入院生活でしたが、「地獄」という文字が示している地獄とは、言(コトバ)を地上で動物次元の範囲で使うことは意識が対立的感情としてしか働かないので、感情をある程度セルフコントロールできる場合以外は、親子関係や他の人間関係に様々な影響があります。
地球で様々な大変なことを経験するからこそ、私達は人類誕生以来360万年の間、悩み、苦しみ、考えてきました。悩み、苦しみ、考えてきたのは「コトバ」によってです。「コトバ」で考えているのですが、いつも考えている内容を問題とし、「コトバ」がどのようなエネルギーなのかなどとは考えませんでした。
「地獄」の本質を文字によって学ぶと「地獄」の意味が変わります。
地獄→字極
字を通じて極みを理解することが、対立的感情の地獄から絶対無限エネルギーの結晶化現象である字による極への転換なのです。
文字の音の意味を命のエネルギーの音の意味に転換すると、そこには地上の対立的感情の意味ではなく宇宙の絶対無限エネルギーの意味が展開します。宇宙の絶対無限エネルギーは完全な調和、絶対調和の完全安定エネルギーなのです。
地獄→極楽
地獄にいながらにして極楽を味わうことが可能なのです。そのことを、他の文字に置き換え、つなぐと、
字極楽
となります。地上地獄界において宇宙字極を楽しむことができるのです。
そのことは新しい元号にもきちんと示されています。
2019年5月1日徳仁天皇が第124代目の天皇として即位されました。この一ヶ月前4月1日には新元号が「令和」と発表になりました。
この発表を聞いたのは車の中でした。「令」という文字の中に
令→人+一+卩
卩(セツ、割符)が入っていました。「よっしゃ!」と思わず声をあげました。日本語の表意文字は上記の「令」の文字のように分けることができます。このような文字が新しい元号として発表されたことは、私達日本人に卩(セツ、割符、)によって一(絶対)をL(開)開くと示されているのだと思います。
このように文字を分け、その意味をエネルギー的に解釈する方法を見つけられた方が「小田野早秧」先生です。このような文字の幾何的な分け方を「字分け」と言います。
「令和」とは令に和すとも考えられます。令とは「命令、法則」という意味であり「和」は「和やか、数」という意味があります。「令和」の言語的な意味はいろんな捉え方ができますが、「法則に和す」とも考えられます。
「令和」という文字の示す意味は字分けの仕方はいろいろあると思いますが、
令和→卩(字分け)によって絶対を開き和す
令和の読みを「天鏡図」で索引すると
令和→レイワ零意和
天の法則の心に和すとも考えられます。宇宙が私達人類にどのように「光透波」という絶対無限エネルギーを与え、育み、愛しまれているのか、その法則的関係性を理解し、どのように実生活に役立てるのか、最初に私たちがやるべきことは、言葉で創られている自意識を字分けによって読み換えること、つまり、
人為的自我意識→文字を通じて→天念(宇宙意思)
に読み換えることだと思います。
令和から零話へ続く…
2019年7月18日16時25分 八田光典
八田さん、ありがとうございます。これで令和の字分けを三者三様にご紹介することができました。
人によってそれぞれユニークな生活体験からの字分けの例証と、気づきを読者の方々が学ばれる機会が出来、私としてもとても嬉しいです。これからもどしどし寄稿してくださいね。