近道はたいてい遠回り

数日前に急に微熱、悪寒、軽い頭痛、食欲不振になった。この場合はもしかしたらウイルス?とパニックになる人もいるかも。でも私は平気。「あら、風邪だわ」となり、太母さんの言葉を思い出しました。

風邪は万病を掃う玉箒(たまぼうき)

何か不自然なこと、体が嫌がることをし続けると、赤信号として前述の症状がでて無視ができない。仕方がないから対処することになります。医者に診てもらうと二つに一つの選択。「栄養つけてゆっくり休んで治るまで無理しないように」、あるいは「注射しましょう。その後この薬を飲んで」となります。前者は時間がかかる方法。後者はすぐに仕事にもどらなければならない人用だと思います。私はどちらもしないことにしています。専門家は知っていますが、注射で風邪は治りません。症状が軽くなるだけです。でも治っていないのでまた薬が必要になり、副作用と言うおまけもついてきます。

風邪の原因のトップは「過食、偏食」で次が様々な生活習慣、精神的、肉体的疲労等だというのが太母さんの見解で、すぐに、「断食しなさい」となります。でもそこまでしなくとも少なくとも小食にして、胃腸をふくむ五臓六腑に休暇をあげるということにしています。この中でとても重要なのは、時間をかけるということだと思います。風邪をひくと引き始めから終わるまで大体一週間とちょっとかかると言われています。医者も人生経験豊かな年寄り達も皆そう言っていました。

さて、今日で4日目。くしゃみ、鼻水、鼻づまりは大分収まって、胃も調子よく、昼に食べたものがすぐに消化されました。ダウジングであと何日?と訊くとあと3日と言われました。「やっぱり7日間かかるのか、速くならないかな」と生来せっかちな私は訊きました。

答は「いいえ」でした。原因は食事会が続いて飲酒が過ぎたことのようで、ダウジングでしっかり出ました。一週間禁酒の決意。普通は当たり前なのでしょうが、私には決意。

ここには大切な教えが含まれていると思います。人生とはプロセスするということです。生まれてから死ぬまでの長くても100年くらい。生きるというプロセスです。経験を重ねて行きながら、悲喜こもごもの感情を味わいます。良いことばかりは続かないのは皆さまご経験済みと思います。嫌なこと、悲しいことは早く終わって欲しいというのが人情ですが、これもそうはなりません。

愛する人が亡くなったり、好きな人と別れたりすると、友達が大丈夫かと心配して訊いてくれます。それに対し英語では、「I’m prosessing今プロセス中なの」という答えが一般的です。一挙に哀悼や惜別の苦しみは解消しないので、それを味わいながらプロセスするという意味です。日本では「親の喪は13ケ月」と言います。一年ではちょっと足りないほどの喪失感だという経験的な言葉なのでしょう。私も三回家族を失い、やはり一年などでは悲嘆は消えませんでした。今でも思い出せは悲しいし、淋しいですが、痛みはもうあまりありません。三人目の家族の喪中では心肺機能が低下する程の打撃で、苦し紛れに色々とバカなことをしました。飲酒の増加です。これで心臓の不具合に加えて内臓の疲れが加わり年に3回くらい風邪をひきました。やれやれ。

このプロセスするということが出来ないと重大な精神的障害が出ます。PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)です。まず苦悩と悲嘆には向き合わないとプロセスは進みません。早く治って立ち直るうまい方法もあまりないようです。

人間という生き物には前頭葉があって、大きな海馬もあって、たくさんの記憶の蓄積が出来るので、その意義を追求したくなるやっかいな性癖を持っています。想像力がたくましいので、疑心暗鬼、不公平な扱いを受けている自分は神に見捨てられているのだなど、どうしても納得が行かない、気持ちの整理がつかない、ケジメがつかない気持ちが後を引きます。PTSDというのはケジメがつかないので先に進めない状態を言うそうです。「人生は絶対に辛い」という厳正なる事実と向き合うしかないのですから受け入れて対処するしかないということになります。

風邪をひいたことで色々考えて、「万病掃う玉箒」論の母を思い出しました。とても彼女らしい写真があったので、アップしました。

「バカの壁」を越えて見つけたこと

ミクロの決死圏―体の中を旅して見ました

人生は絶対に辛い

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です