前回の「光の速度の話」の続きです。
アインシュタインの相対性理論ではE=MC2という式が有名ですね。Eは エネルギー、 mは質量(物体は質量です)、cは光速度…定数(constant)を指します。この式は何を意味しているのかをいろいろ調べて最も分かりやすい説明のいくつかを合わせて抜粋しました。
●エネルギーと質量は交換可能であるという事(質量が消滅すると、エネルギーになる)
●エネルギー量と質量は比例するという事(減った質量が2倍、3倍・・・となるに連れて、得られるエネルギー量も2倍、3倍・・・と変化する)。
専門家の言うところの「エネルギーと質量は等価である」ということになります。 ある物体がこの世から消失すると、ものすごい量のエネルギーに変化するという原子爆弾の理論的根拠にもなりました。
この式・・・あえて、わかりやすい言葉になおせば、
「この世のありとあらゆる物質は、形のないエネルギーが、質量という姿形(物質)になったもの」となります。
またこの式が導き出す他の結論としては以下のものがあります。
●質量を持つ物質は光速度に達することはできません。(無限の質量は存在しないから) 質量がゼロでない物質を加速するということは外からエネルギーを与えることなので結果的に加えられたエネルギー÷比例定数(cの2乗)分の質量が増加するということです。物質を加速するほど質量が増加して加速しにくくなっていきます。結論をいうと無限のエネルギーが無いと光速度にすることはできません。
※物理学での無限という量は、有り得ないとか実現不可能と同じ意味です。
光は生まれた時から宇宙で最高速の光速度で運動しているので加速することはできません。つまり、光は速度一定であり質量ゼロという純粋にエネルギーそのものとも言えます。ちなみに、光は波(電磁波)でもあり、そのエネルギーは振動数に比例します。以上は「物理学」における理論の展開です。
ところが、「量子理論」という全く別の理論体系から見てみると、そうとは言えないのです。
「超光速粒子タキオン」という名称があります。新しい分野の新しい観念を表現する言葉です。以下は本からの抜粋です。
電子などの質量をもった粒子を光速以上に加速する事はできそうにない。しかし実は、相対性理論に直接矛盾しない形で、超高速粒子を考えることはできるという。そのような理論上の粒子は「タキオン」と呼ばれている。タキオンの質量は、何と虚数だという。虚数(純虚数)とは2乗して負になる数のことだ。
通常の粒子(質量が実数)の速度は、光速が上限だが、タキオンの速度は、光速が下限になる。つまり、タキオンは、生成した瞬間から超高速で進み、決して光速を下回ることが無いのである。つまり通常の粒子と光速に関して正反対の性質を持つことになる。
また、タキオンはエネルギーを失うと加速するという。通常の粒子であれば、エネルギーを失えば減速するはずなので、とても奇妙な性質だ。
たとえば、もし電荷をおびたタキオンが実在した場合、真空中を進むタキオンは、チェレンコフ光を放ってエネルギーを失っていくと考えられていく。するとタキオンはどんどん加速していき、最終的にエネルギーを完全に失うと、なんと速度は無限大に達するという。つまりどんなに遠い宇宙のかなたにも(100億光年先でも!)、瞬時に到達できることになるのだ。
命波では「光透波」という形のないエネルギーの性質を研究対象にしています。そしてこの特定の種類のエネルギーが超光速のエネルギーであると仮定しています。
そこで次回は「超光速」という可能性と「光透波」について少し考えて見ましょう。
超光速という可能性と概念
アイキャッチ画像。「光速を超える謎の粒子タキオン」のイメージ。実物ではありません。