世界が抱える15の問題とその全てが帰着する一点

下記に提示されている項目は『舟を岸につなぎなさい』と題されたメッセージ文の抜粋です。

この本で提示されている15項目の問題は今から60年も前に書かれたものです。日本は高度成長期の始まりにありました。環境汚染という言葉など誰も知らなかった頃です。今この問題を見て、あなたは何問答えられるでしょうか?そして16番目に、すべてを統括する答があることを示唆している項目が提示されています。

  1. 文明が大車輪で発展すれば、災害も大車輪で大発展することに目を留めなさい。 なぜか?
  2. 災害の七割までは人間が引き起すものであります。ということは、災害の七割までは人間 が防止できます。どのようにして?
  3. 今、他の天体への究明と試みが大掛かりになされていますが、距離における「より遠く」 とか、面積における「より広く」とか、速度における「より速く」とかいうものと、我々の幸 福の要素、安全とか愛情とか信頼とかいうものとは、あまり関係のあるものではありません。 天体究明も大切に違いないが、足元にもっと大切な問題があることを忘れてはいませんか?
  4. 医学の進歩と歩調を合わせて患者が増加し、病院と医薬が氾濫するのはなぜか?また、 寿命が延びたという一方、内部よりの崩壊が加速しているのはなぜか?
  5. 和合調和を招くのが宗教であるのに、宗教と名乗りつつ、世界に排他反目の巨大な壁を造 らせた矛盾と罪に留意し、反省して、教義の欠陥を正し、信仰の誤りを直しなさい。直すには?
  6. 文明生活と人口問題についてと、衣食住についての心構え
  7. 精神的美風(美しいならわし)が急速にうすれつつある今日において、それらの美風が再び 人類の上によみがえってくる処方箋について
  8. 常に善い悪いと言い続けてきながら、未だに善悪邪正の判定をする明確なより所を持たな いのはなぜか? ということとそのより所
  9. 人類の苦しみの第一因は、要不要の算定を無視した物品乱造であり、悩みの最大因は、乱造せざるを得ない経済機構にある。ということについてと、その重苦から脱する方法について
  10. 物品乱造の結果、乱費となり、これが人類と他の万物との関係をどのようにしているかに ついて
  11. 空気の生態と、その果たしている三大役割について
  12. 科学界に対する要望と、その研究目的についての示唆
  13. 原子力はその使用目的が何であれ、取り扱うこと自体が災害のもとであるという理由に ついて
  14. 既に蓄蔵されている原子力開放にあたっての諸条件について
  15. 教育は学校に始まってはもう手遅れで、出生と同時に始まらねばならないということと、その始まりにおける諸注意について
  16. 以上15項目の解答がすべて帰着する終点において発生してくる諸問題について

以上16項目中、最も重要なのは、最終の第16項です。 前記15項目は、あなた方がよく検討なされば、容易に解明するものであり、もうとっくに解明してもいます。 しかし、その解明を基調にしたさまざまな具体策を「どのようにして最もスムーズに、かつ急速に、現在の社会機構上に適合させていくか」が問題の重点であり、この重点を取り扱うの が第16項だからであります。
前記15項目にはすべて帰着する一点があります。今日まであなた方が何を求め、何を得ても満足できないで、幸福とは永続性のないものだとあきらめかかっていたのは、この一点を見 落としていたからであります。15項目の帰着する一点こそ、ついにそれが何であったかを明示するものです。

以上の問題点に関し、それぞれの方が、「ああ、60年前の予測がまったくその通りになってきている」と思われたのなら、それがこの本の信ぴょう性を証明するものではないでしょうか。この回答を聞くために40年ほど前にローマ法王庁からお使いの方が二度見えたのですが、「どこか一か国、あるいは一団体や一宗教に対して回答はできない」と言って、著者は回答を控えていたのです。
そこで私からの質問です。どうすればすべての問題が解決すると思われますか?まず、初めの質問である、「どれとどれの解決法が分かるでしょうか」がある意味でヒントとなります。どれかを解決しても他が影響を受けて余計問題が大きくなるようならそれは解決法ではありません。どうぞ頭をしぼってみてください。いえ、心を澄ませて、母なる地球に、そして生きとし生けるものに心を同調させ、自然の声を聞いてみてください。

https://37kotoha.net/10/4番目の問題/

悪行の温床―心の穴

先日物置の奥にあった古い花瓶を年長の家族のTが私に見せてどういう品物かを話してくれた。Tは母の姪で私が生まれる前の父を知っている人だ。それによると二人が東京に住んでいたころ商店街を散歩中に骨董店をのぞいてこれを見つけ二人で相談して買ったという。子供の頃に家にあって時々花が活けてあったのを思い出すと同時に若かった頃の両親の姿が目に浮かんできた。父は母のことを「かあさん」と呼んでいて非常にていねいで美しい言葉で話す人だった。父の声音には尊敬と愛情の両方がこもっていた。両親は互いに対し美しい言葉で話をする人たちだった。物心ついた頃から何年かは疎開先の奥多摩に住んでいたのだが、当時は家族の団欒には祖母とTも加わって楽しそうに笑いながら話をしていたのをよく覚えている。和やかで美しい声音が快く、その場を離れたくなくていつも茶の間の片隅に座布団を敷いてそこに寝そべっていた。途中で眠ってしまうと誰かが抱き上げて布団まで運んでくれたものだ。ふんわり柔らかいのが母の腕で、大きくて骨っぽいのが父の腕だった。父の腕の感触と匂いをまざまざと思い出すと同時に懐かしさがこみあげてきた。後年父に対し腹が立つことがあって心が離れてしまいがちになったが今ではただ懐かしい。

父に対し怒っていたあの頃何がそんなに腹立たしかったのだろうか、怒りの原因はなんだったのだろうかと内観を続けていた時にまるでヘドロのような汚濁の池にはまって溺れ死にしそうになった経験があった。その時に大きな気づきがあった。汚濁は個人のものではなく人類全体の怒りの集積だったのだと。この時に「一蓮托生」という言葉の意味が初めて実感できた。

天の父母である至高の叡智である創造の源とは異なり、人間である両親は決して完ぺきではないが、足りない点も含めて受け入れ、愛することができたら心に空白の穴は出来ないだろうと思う。人間が犯すあらゆる理不尽で残虐で破壊的な行為は心に穴があるせいだと言った賢い人がいる。その通りだと思う。

心に穴があると、寒くて、孤独で、腹が立ってイラつき、誰かを攻撃したくなる。または何かの依存症になって穴があることを忘れてしまおうとする。それでも穴は埋まらないのでいつまでたっても破壊行為は止まらない。多くの人が同じように破壊的になると地球は大きな被害を受ける。愛と他者に対する尊敬の心のない人々の犯す行為が積もり積もって今は地球上の生命は瀕死の状態になってきている。どれだけの種が絶滅したろうか。絶滅危惧種になっているだろうか。海も土も水も汚染されてしまった。それでも破壊行為は止まない。乾いた心の飢えに浸食されて心身ともにボロボロになって行きつく果てが「病」という愛の鞭で、「気づきなさい」と教えてもらっているのだ。

「自分は何も悪いことはしていないのに何故こんなひどい目にあうのか」と言う人は多いが、悪いこととは他の人間に対してという意味が多い。全生命にとってという点から見てもそう言い切れるだろうか。これが「一蓮托生」ということなのだ。これに気づかないと自己破壊する。そういう順序と筋道を明確に認識する理性がある人たちが破壊の反対のエネルギーの振動を発信することで悪行の根源にある破壊のエネルギーの振動を打ち消す効果をもたらすことができるのだと私は考えている。

たとえ講演会をして回らなくても、本を書かなくても、誰にも知られない無名の人であっても、今いる処で触れ合っている人たちや生き物に愛と尊敬のこもった美しい言葉で話しかけ、感謝と友愛を表現するという日常の行為が地球に平和をもたらすすごい影響力を持っていると私は信じています。

2016.8.3

世界が抱える15の問題とその全てが帰着する一点