新年の計 ー 要らないものを捨てます

もうじき新年を迎えます。新年の計は何ですか?

以前、老人の入居者の多い団地の管理人をしていた女性に聞いた話で、一人暮らしの高齢者が亡くなった後のゴミの山の始末に遺族が悩んで、管理人に始末を依頼する例が多いと聞きました。このことを予測して団地側では入居者に引き払い時にかかる費用を預かっているそうです。たった2LDKの部屋でどれほどの量のゴミ(家族が貴重品を持ち去った後の不用品)の多さには毎回驚くばかりだったそうです。これは「ためこみ症」と呼ばれる精神疾患の人達ではないかと思われます。

以下は医学的説明です。

ためこみ症とは、実際のものの価値とは無関係に所有物を捨てることや手放すことが持続的に困難になってしまう精神障害の一つです。ためこみ症状は、典型的には10代という若年期に発現し、20代には個々の日常生活機能を制約し始めて、30代には臨床的に顕著な障害を認めると言われています。
実際のところ、患者自身や家族、そして時には医療従事者も、ためこみ症が精神科や心療内科の領域の疾患に関連するものとは、ほとんど認識されていないことが多いです。一般的に、ためこみ症の臨床経過は慢性的に継続して、自然に症状が軽快することは少なく、単身生活やパートナーが不在の状況下では、より病状が悪化する傾向が見受けられます。
比較的人生の早期段階で発症し、社会機能や生活面での障害を呈するために適切に診断を確定して個々に応じた治療を実施することが重要なポイントとなります。

これとは別のため込み行為もあります。収集行為と呼ばれます。
収集行為は、根深い感情的、認知的、そして社会的欲求によって駆動される複雑な人間行動です。心理学者は収集行為を、有益な趣味から極端な場合には精神障害に至るまで、連続体として捉えています。 

収集癖のコアモチベーション

コントロールと秩序:予測不可能な世界において、物を整理し分類することは、支配感と心理的な安らぎをもたらします。研究によると、人々は自分の生活にコントロールが欠けていると感じているとき、よりコレクションへの意欲が高まることが示されています。
アイデンティティと自己表現:コレクションは多くの場合、自己の延長として機能し、個人が個人的な物語をまとめ、自分の価値観やステータスを他の人に伝えることを可能にします。
「狩りのスリル」:神経科学の研究によると、アイテムを獲得することへの期待は、アイテムを実際に所有することよりも、脳の快楽中枢(具体的には側坐核)をより強く活性化させるそうです。
セットの完成:多くのコレクターは、「セット」の完成によって得られる内的達成感に突き動かされ、具体的な目標と進捗状況のフィードバックが得られます。
ノスタルジア:物理的な物体は過去への触覚的なアンカーとして機能し、個人が子供時代の思い出や個人の歴史とのつながりを維持するのに役立ちます。 

収集と貯蔵

基本的な行動は共通しているものの、収集障害と溜め込み障害とは異なります。 
整理:コレクターは通常、アイテムを分類し、展示し、慎重に管理しますが、溜め込みは、整理されていない、無計画な蓄積が特徴です。
機能性:コレクションは日常生活の邪魔になることはほとんどありません。一方、溜め込みは極端な乱雑さを招き、住まいが住みにくくなることもあります。
感情状態:収集は一般的に喜びと社会的なつながりをもたらします。一方、溜め込みはしばしば大きな苦痛、羞恥心、そして社会的孤立と結びつきます。 

神経学的要因

収集癖は、意思決定と整理整頓を司る脳の領域である前頭前皮質と関連しています。この領域が損傷すると、強迫的または異常な収集行動につながる可能性があります。(注。高齢になって前頭前野の機能が低下すると、溜め込み症の症状を呈するようになる)さらに、ADHD(注意欠如・多動症)などの疾患は、不注意や整理整頓の困難さから、溜め込み症の症状の頻度が高いことが知られています。

いずれにしても、若い時に自分で、整理出来ない程の物品を溜め込む癖を矯正していないと、歳をとってからゴミの山に埋もれて暮らすことになりがちです。「片付けなければ」と頭の中では思っていても、実際には出来ないという悩みを抱えて生きることになります。溜ったゴミが発する波動というものがあります。これは自分ではそれと気がついてはいないけれど、常に頭の片隅にあって、神経を疲弊させる影響を及ぼしているのです。カビ等の臭いも出てきます。それは無意識裡に「何とかしなければ、出来ないのが恥ずかしい。自分はダメな人間だ。これでは後で家族に迷惑をかけてしまう」等の悩みを抱えてしまうことになります。これを避けるには認知症になると楽です。この心理が怖いです。私の周囲でも同年輩の人たちの多くがかなりの認知症の症状を呈してきています。自分に関係した行動をする人達の物忘れによる問題を前もって予測し、回避する為の処置をとっていますが、それでも事件は起きます。こうならないようにと自分を律して常に不用品を手放すことを心掛けている次第です。

トップ画像は英語でPackrat、物を溜め込む人のことです。
リスは食べきれないほどのナッツを溜め込んでは地面に穴を掘って、隠すのですが、そのうちどこに埋めたか忘れてしまい、お陰で(?)ドングリや椎の木が芽を出して、森の木が増えます。リスなら良いですが、人間の場合は他の人が困りますね。本人だって決して幸せではないと思います。

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